賃金
1.賃金とは
労働基準法において、「賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うべきすべてのものをいう。」と定義しています。(労働基準法第11条)
@使用者が労働者に支払うもの
A労働者の対償であるもの
の要件を満たすものは、どんな名称であっても、すべて賃金です。
なお、就業規則等により支給条件の明らかな退職金は賃金に含めれます。
「労働の対償」とは,
労働者が使用従属関係のもとで行う労働に対して、その報酬として使用者が支払うもの
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2.賃金の決定に当っての注意事項
賃金の決め方や賃金の額については、基本的にには、労使が体等の立場で事由に決定するものでが、次の点に注意する必要があります。
@労働者の国籍、信条、社会的身分を理由として差別的取扱いをすることはできません。(労働基準法第3条)
A女性について、女性であることを理由として、男性と差別的取扱いをすることはできません。(労働基準法第4条)
B最低賃金法に基づき定められた最低賃金額を下回る金額とすることはできません。(最低賃金法5条)
3.賃金支払払いの5原則
「通貨払い」「直接払い」「全額払い」「毎月払い」「一定期日払い」の五つの原則を定めています。
4.休業手当
労働者が働く用意があるのに、会社側の都合(使用者の責に帰すべき事由)により所定労働日に労働者を休業させた場合には、平均賃金の60%以上の休業手当を支払わなければなりません。(労働基準法第26条)
「使用者の責に帰すべき事由」とは、使用者の故意、過失又は信義則上これと同視すべきものより広く、不可抗力によるものは含まれないと解され、事業経営者として不可抗力を主張し得ないすべての場合を含むと解されています。
5.出来高払制の保障給
出来高その他請負制で使用する労働者については、労働者の責に基づかない事由によって実収賃金が低下することを防ぐために、使用者は、労働時間に応じ一定額の賃金の保障をしなければなりません。(労働基準法第27条)
障給の額については、常に通常の実収賃金とあまりへだたらない程度の収入が保障されるように定めるよう指導することされています。
少なくとも平均賃金の60%程度を保障することが妥当と考えられます。
◆賃金制度
1.賃金形態
賃金形態とは、労働者に支払われる賃金が何を単位として決められるかということで、大きく分けると定額制と出来高制の2つの形態があります。(1)定額制
定額制とは、賃金計算の基礎となる期間の長さが、1時間、1日、1週間あるいは1ヶ月であるのに応じて、時間給、日給、週給あるいは月給というように区分されます。また、一般に、月給は欠勤の場合に賃金が支払われるか否かにより、日給月給と完全月給に区分され、欠勤によって賃金が差し引かれる日給月給に対し、欠勤の有無にかかわらず全額を支払うものを完全月給といいます。
日給月給の場合、欠勤によって差し引く額の定め方は、企業によって異なりますが、1ケ月の暦日数や所定労働日数を勘案して、欠勤1日について月額の1/30とか1/25を差し引くやり方が多く見られます。なお、この場合、欠勤1日当りの差し引く額については、その額が、欠勤日数に相当する賃金以上となるときは、その上回った部分は、制裁としての減給分に当るものと考えられ、労働基準法第91条の制裁規定の制限に触れることがありますので、注意する必要があります。
(2)出来高制
出来高制は、出来高の基準を生産量におくか、生産に要する時間におくかによって、単価請負制と時間請負制に分けられます。
単価請負制は、出来高の量に直接対応して賃金を計算するものであり、時間請負制は、あらかじめ時間当たり出来高を基準といして、実際の出来高を、時間数に換算して、時間当たり賃金率によって賃金を算定するものです。
賃金形態は、個々の企業がそれぞれ任意に決め得ることであり、労働基準法ではその内容について特に規制していません。
どのような賃金形態を選定するかは、生産方式、労働態様なそれぞれの企業の実情に勘案して決定することが大切です。
しかし、定額制、出来高制のいずれかが適しているかをみると、一般的に
@出来高の単価が明瞭であり、出来高の測定が可能であること。
A労働した量と出来高との間に明らかな因果関係があること。
B仕事が標準化されており、仕事の流れが規則的であること。
C管理監督者の目が届かない所の作業で、労働者の自律性が高い仕事であること。
などの条件を満たしている場合は、出来高制が適し、これらの条件を満たしていないときは、定額制のほうが適しているといわれています。
出来高制は、収入が出来高に応じて確実に増大するので労働意欲の高揚の点で有効とされています。
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