退職
退職について
| 退職 | 辞職 | 労働者側からの一方的な意思表示によって労働契約を解消すること。 一度意思表示すると撤回することができない。但し、撤回に関する合意がとれれば別。 |
| 合意退職 | 労働者と使用者が合意して労働契約を解消すること。 使用者の承諾の意思表示が労働者に 到達するまでは、撤回が可能。 |
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| 当然退職 | 一定の事由が発生すると、当然に労働契約が解消されるというもの。 死亡や就業規則で定められた退職事由(定年や休職期間満了など)に該当する場合。 |
労働者の意思表示による退職については、労働基準法上何も制限がありません。
但し、民法によれば、退職はその意思表示から2週間で効力を生ずることになります。(民法第627条第1項)
もっとも、賃金が期間をもって定められた労働者については、民法では、退職の申し入れは次期以降につき当期の前半に行うこととされています。
例えば、暦月で月給を定めている場合で、10月1日に退職したいときは、9月15日までに申し入れることとなっており、必ずしも2週間とはなっていません。((民法第627条第2項)
◎退職の意思を示している社員には必ず退職届けの提出をしてもらうこと。
◆退職をめぐる問題
(1)中心的な社員の引き抜き退職を禁止できるか
会社にとって中心的な役割をはたしている有能な社員を、他社から好条件で引き抜きされる場合、会社はこのような退職を禁止できるか
それが後述の明白に同業他社に就職することが競業禁止に該当する場合はもとより、従業員が同業他社に就職することによって、業務に著しい障害が生ずる場合、重要な企業の秘密の漏洩に該当する場合を除いては、社員の退職を禁止や制限することはできない。
但し、社員側も退職時期等誠実勤務上の配慮は必要。
一般に労働者には「職業選択の自由」が憲法22条1項によって保障されており、労働者がやめたいということにやめさせないということや、それに制限を課することは、この職業選択の自由に反することになるので、守秘義務問題等企業防衛上やむを得ない場合を除いて退職を禁止することはできない。
なお、退職にあたり、労働者は信義則上引継ぎの義務を負います。
(2)労働者の一方的無断退職も有効か
本来労働者が退職するには使用者に申し出てその承認を得て退職(労働契約の合意解約)するのが原則ですが、それをせずに労働者の一方的に会社に通告したり、無断で退職して他社で働くというようなこともあるが、このような退職は有効であるか?
使用者の方が一方的に労働者に通告して会社をやめさせる「解雇」については法律上の厳格な規制があるが、労働者の方で一方的にやめることについては規制がない。
民法によれば、期間の定めない契約はいつでも解約の申し入れをすることができ、「雇用は解約申し入れ後2週間を経過したるにより終了する」(民法第627条第1項)と定めており、2週間経つと効力が発生します。(ただし、期間をもって報酬を定めた場合には、当期前半に解約の申し入れをしたときは次期以降に効力が発生する)(民法第627条第2項)
労働者が、金銭上の不正等をごまかし、退職願いを提出したケースについて、労働者の一方的な雇用契約解約申し入れの効力の発生は、民法627条1項により解約申し入れ後2週間を経過した日であり、退職提出日の8日後に到達した懲戒解雇の意思表示は、雇用契約継続中になされたもので、適法・有効である(平成9.2.18東京地裁判決、内外日東事件)とされているが、このようなケースでは早く調査して処分しないと退職した労働者は懲戒解雇できない。
そこで、就業規則で労働者は1ヶ月前に退職を申出なければならないと定められていても、通常の労働者は退職願いを提出して2週間経過すると使用者の承諾がなくても退職の効力が発生するのであり、1ヶ月前というのは訓示規定です。
(3)休職期間満了による自動退職の場合
休職とは、労働者側の事由による就業不能ないし困難な事由の発生について、使用者が一定期間の就労義務の免除をする処分をいう。
そのうちで就業規則で私傷病にもとづく欠勤が長期にわたる場合「休職」処分として、「休職期間中に休職事由が消滅せず復職しないとき自動退職(当然退職)とする」旨を定めているケースがある。
れは一種の解雇猶予の制度であり、本来ならば長期にわたる就労不能ないし困難事由が生じたのであるから契約の解除(解雇)事由が生じているので解雇してもよいのであるが、一定期間猶予してその期間に病気を治癒等休職事由が消滅した場合には復職させて解雇しないことにする処分である。
のような休職期間満了による自動退職も退職として有効かという問題がる。
この点については、(ア)期間満了の翌日等一定の日に自動終了することを、(イ)明白に就業規則に定め明示し、(ウ)かつその取扱いについて例外的な運用がなされていない、ならば定年と同じように終期の到来による労働契約の終了となり「解雇の問題は生じない」とされています。(昭和27.7.25基収1628号通達、同旨昭和30.9.23東京地裁、電機学園事件)。