1ヶ月単位の労働時間制
1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月のうち月末など特定の時期が忙しい事業場にとって利用価値のある制度です。
これは、特定の部門だけの実施でも差し支えありません。
例えば、販売や経理を担当する部署で、月末に経理処理などの業務が集中する場合に、比較的暇な月初めに所定労働時間を短くし、月末は長くするというように利用できます。
実施の際には、次に述べる一定の要件を満たす必要があります。
(1)1ヶ月単位の変形労働時間制の実施要件
イ。変形期間中の所定労働時間の総枠
1ヶ月以内の期間を平均して1週間当りの労働時間が40時間(特例措置対象事業場は44時間)を超えないようにする必要があります。
変形期間中の所定労働時間の合計を次の計算式による時間の範囲内に収めなければなりません。
40時間×変形期間の暦日数
7
この式で計算した時間が、変形期間中の所定労働時間の合計の上限になります。
変形期間1ヶ月の場合の所定労働時間の合計は、次の所定労働時間の総枠以下でなければなりません。
| 1ヶ月の暦日数 | 1ヶ月の暦日数に対応する所定労働時間の総枠 | |
| 所定労働時間が40時間の場合 | 所定労働時間が44時間の場合 | |
| 31日の場合 | 177.14時間 | 194.85時間 |
| 30日の場合 | 177.43時間 | 188.57時間 |
| 29日の場合 | 165.71時間 | 182.28時間 |
| 28日の場合 | 160.00時間 | 176.14時間 |
(注)端数はそのままとするか、切捨てる必要があります。
ロ。就業規則などで定めるか、労使協定の締結が必要です。
1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合は、常時10人以上の労働者を使用する事業場は就業規則で、10人未満で就業規則を採用していない事業場では就業規則に準ずるもので、あらかじめ変形期間中の各労働日の労働時間を具体的に定めておく必要があります。
又、書面による労使協定によっても、導入が可能です。この場合、就業規則の変更に加え、所定の様式により、労使協定を所轄労働基準監督署長に届けでる必要があります。
ハ。就業規則及び労使協定などで定める事項
@変形期間
変形期間の最長は1ヶ月ですが、1ヶ月以内であれば4週間単位、3週間単位なども差し支えありません。
A起算日
変形労働時間制を開始する最初の日を定める必要があります。
B労働時間の特定
その日その日の業務の都合によって労働時間を随時伸縮することを認めるものでありませんので、変形労働時間内の各日及び各週の労働時間(就業規則にあっては、始業及び就業の時刻など)を具体的に定める必要があります。
注)労使協定による場合は、上記に加え、協定の有効期間を定め、さらに、労使協定届を所轄労働基準監督署長に届出る必要があります。
(2)1ヶ月単位の変形労働時間制の具体例
月末に忙しい事業場いおける1ヶ月単位の変形労働時間制の例

7時間×21日=147時間
10時間× 3日= 30時間
合計 177時間<177.14時間(1ヶ月の総枠)
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